今回のビジネス英語レッスンでは「日本製」、すなわち「Made in Japan」というブランドの昨今の低迷についてビジネス英語のレッスンを行いました。特にタカタや神戸製鋼で最近の出来事があり、タイムリーなトピックスとなりました。

”What Happened to Made in Japan?”

このレッスンの教材は、日本製の品質の問題を正規社員の減少と派遣社員の急増に関連をつけました。それについて英語で議論をする事で、よりこのトピックスの真相に近づこうとしました。

目的:

・僕たちが直面する問題について英語で議論を行うこと
・お互いの観点を理解し、英語のみならず情報を吸収すること
・より西洋文化と日本文化の違いを理解すること

ここでレッスンの内容を纏めました。。
ではでは。。。

 

? How do the Japanese achieve high quality ?

(どうやって日経企業は高品質に成功しているのか?)

日系企業が一貫して (Consistently) 高い品質を保つことができている理由を二つに分けて答えました:

Cultural Reasons: 

  • 先輩・後輩という、ほとんどの西洋の国には存在しない社会文化的構造が一つの理由だと考えます。特に現場や職人 (craftsmen) の中では、品質管理面においてこの先輩・後輩構造が大事です。一例を挙げると、僕が寿司屋の見習いをしていた頃は、日本人の先輩の方が居て、僕が巻いた細巻きをお客様に出した時に開いてしまった時は怒られました。桂剥きしたきゅうりや大根の千切りの一本一本の幅が均一でないと、しかられました。ちょっと昔だったら、包丁の裏側で叩かれることもあったそうです!ここまでシビアな品質管理は企業として求められていなかったが、すでに日本人の文化として、先輩が責任を持って後輩を指導するという現象は、学生の頃から染まっている風に思い、国民としてとても高い品質管理が一貫して維持できていると思いました。
  • 日本人にとって、日本製へのプライドの高さは非常に高いことが分かります (National pride)。イギリスでは、皮肉って自国のクオリティの低さ(特にRoverやVauxhall自動車など!)をジョークしたりしますが、日本では皆日本製をとても真面目に、誇りにしているように思います。CMや商品の見出しに「日本製」を一つの特典として(selling point) 謳っている事がこの証拠だと思います。

 

Economic Reasons:

  • ハイクオリティは、一種の戦略だったと考えます。 

    第二次世界大戦後の急速なグローバル化によって、日系企業にとって品質を統一さえすれば、大きなビジネスチャンスがあったと思います。当時アメリカの自動車など製品は特に競争に晒されていなく、故障したり効率が悪かったりしても消費者は選択肢が無かった。アメリカ製は1960年、70年には日本から輸入される高品質な製品と競い始めなければならなかったです。もちろん、為替相場操作 (currency manipulation)や投げ売り(dumping) やカルテルなど別の理由もありましたが、ポイントは市場に大きな枠 (gap) が当時存在しており、より安く、一貫して、機能の優れた頼れる(reliable) 製品を提供することでその枠を日本製が埋める事ができたと思います。 

  • 日本がより豊かになったバブル期は、日本の消費者がより高い品質を求めるようになり、もちろん、それに応じて高いお金を払うことができました。よって、クオリティの高い物を作るための需要 (demand)が十分あったと思われます。 

しかししかし。。。バブル破裂後の消費者はより安く、同じ品質の物を求めるようになったと考えます。そうすると、コストダウンをしなければなりません。。。。

 

? Why has lifetime employment decreased in the last 20 years ?

(なぜここ20年間において終身雇用が減少したのか?)

  • バブル期の終わりでより経済が不確実 (uncertainty)になったと思います。このため、終身雇用の基盤となる、解雇をほぼ出来ない正社員の雇い入れは企業にとって大きなリスクとなりました。不確実な経済傾向に伴うリスク削減、長期計画 (long-range planning) から短期計画への移行に連れ、正規社員以外の雇用形態の需要が拡大しました。
  • 1999年労働者派遣法の改定により、以前派遣社員が働ける業種 (sector) が限られていたものが、大きく拡大 (expanded) され、今では派遣社員が日本の雇用率の大きな部分を占めています。

 

? What are some of the risks of employees being overworked?

(従業員が過労する時のリスクにはどんなものがあるか?)

この質問に答えるには、質問を関係者分け (stakeholder) して答える必要があります:

会社にとって 従業員にとって 社会にとって
過労のリスクとは?
集中力の低下により生産性が鈍化  健康問題 お金を使う時間がなくなり、経済に影響がでる
 間違いやミスが起きてお客様に迷惑をかけることになる ストレス  国の保険に負担がかかる
会社の評判に悪影響を起こす(最近でニュースになっている過労死や自殺によって) いわゆるワークライフバランスが取れなくなり、家族との時間が確保できなくなる 労働相場の超競争 (hyper-competition) により実質の賃金が減る
上記に関連して、公共事業 (public works) への入札ができなくなる    

 

 

? What’s next for Made in Japan ?

(日本製はこれからどうなる?)

この質問はクリエイティブな質問で、正しい答えなど誰も分かりませんが、皆さんの多彩な意見を聞く事ができる良い機会でした。今や日本製は韓国・台湾・中国より家電や半導体業界で激しい競争が繰り広げられているが、日本の潜在能力には何があるか考えさせられました。僕自身は “soft power” (アニメ、食文化、ライフスタイル)がこれから「Made in Japan」の柱としてもっと重要になっていくと思っております。貴方はどう思いますか?

 

このようにして、使用者と労働者、経済環境とリスク、ビジネスと戦略の関係について深く考えて、英語で議論することで、ビジネス英語に必要なツールをトレーニングする事ができると僕は思います。これを定期的に行う事で、語彙力は当然、論理的志向や説得力、主張力などビジネスシーンには欠かせないスキルを磨きあげる道場となります。学校で学ぶよりは、道場で学ぶ。とても日本的な考え方ですが、僕は好きです。こういったハイレベルな議論を6ヶ月間続ければ、貴方の英語力はもちろん上達するし、何よりもビジネスマンとして必要なスキルが蓄えられるでしょう。

ビジネス英語の「ビジネス」を重視する、ジュリアンでした。